最近、努力しないで、苦労しないで、貧乏しないで、美味しい所だけをほしがる人間の多いこと、多いこと。なんか、昔より圧倒的に増えた様な気がします。
考えるに、ITバブルなんて言うものがあったからかなぁ?なんて思ったりします。
あの頃のIT長者達は、すでに消えた人間が多いのですが、伝説だけがまだ残っているのでしょうか?
代表はホリエモンでしょうが、結末はご存じの通り。それ以外にも、逆タマと呼ばれた、某バラドルと結婚し、最後はお金が無くなって詐欺で捕まった社長。それ以外も、いつの間にか上場廃止になった数々の社長達・・・
それでも、昔のITバブルの夢を、今だ追いかけている社長達は、結構多いようです。
その頃のITと言えば、とにかく人が集まるサイトを作れば、それだけで回りから賛美され、ベンチャーキャピタルが行き場の無いお金をそこにぶち込み、何となく盛り上がってしまい、ワイワイ言ってるうちに上場!!って感じだったと思います。
しかし、実は何もやってない。売上げもウソ、利益もウソ、中味もない、社長の実力もない、社員はネットをいじるだけのオタクだけetc・・・
人が集まるサイトを作るだけでは、実力などつくはずもありません。自分勝手に面白おかしくサイトをつくる事に没頭し
「こうすれば客集まんじゃね?」
「ああやれば、みんな喜ぶんじゃね?」
仲間内でワイワイやってるだけです。そりゃあ楽しいかもしれません。それでお金が集まってきて、豪遊・・・
おそらく、その事業が下向きになった時に、彼らはどうして良いかわからなかったでしょう。だってまぐれでお金持ちになったのですから。
サイトを作ることしか出来ない彼らは、実は何も出来ない自分に愕然としたことでしょう。降りたくも、降りるためのはしごはありません。だってはしごを登って上に来た訳ではありませんから。降りたくても、降りるはしごが無いのです。
要は、ビジネスモデルだけで稼げるなんて幻想を持つことが間違っているのです。実力のある人間がやれば成功する。実力のない人間はどんなに有望なビジネスモデルをやったところで、成功はしないのです。
では、どうやって実力をつけるのか?
答えは・・・
努力しなければいけないのです。
苦労しなければいけないのです。
貧乏しなければいけないのです。
簡単に成功してしまうと、上に述べた、成功者の必須条件をスルーしてしまうのです。だから、まぐれが終焉を迎える頃どうしたら良いか全くわからなくなるのです。
楽天やサイバーエージェントの社長達は、おそらく最初の成功の後に、上記の事項を真摯に受け止め(貧乏はしなかったかもしれませんが)たからこそ、今でも健在なだけで、そういった意味では立派な経営者だと思います。
私はそういった美味しい話と遭遇することも無かったので、彼らのようにはしご作りをスルーしないでこれたのですが、もし遭遇してしまったら、下り坂の時に、真摯に自分と向き合えたかどうかは、正直自信がありません。すっかり有頂天になってしまった後ですからねぇ。
野球が上手くなりたい、ピアノが上手くなりたい、良い学校に入りたい・・・
そのためには、一生懸命練習しませんか?
一生懸命勉強しませんか?
しますよね?
それとも、練習しないでプロ野球選手になれますか?勉強しないで東大に入れますか?
もしかしたら、練習しないでもプロになれた、勉強しないで東大に入れた、なんていう人がいるかもしれませんが、
じゃあプロで一流になれましたか?
東大を出た後、官僚として事務次官まで出世出来ましたか?
結局、努力しなければいけないのです。何か問題があって、超えなければならない壁があって、それを乗り越えるからこそ、少しずつ色々なことがわかってくるのです。だからこそ成長出来るのです。
少しずつ色々な事がわかってくれば、次からはそれに対処する時間も減り、より高い次元の問題点をクリアする能力が備わってきます。そしてそれらの経験、体験、成功があるから、最後には何が起きても、何とかする事が出来るようになるのです。
この小さな成功体験の積み重ねが自信というものなのです。
苦労をせず、努力をしなければ、成長などするわけは無いのです。
スポーツや勉強は、皆努力しなければいけないと思っているのに、なぜビジネスだと、楽をしようと思ってしまうのか?私にはわかりません。全く同じだと思うのですがねぇ・・・
ちなみに、貧乏もしなければならないと言うのは、起業する場合の私の持論です。だってIT長者のような、一足飛びの、見せかけの成功は長続きしないのですから、やはり最初は貧乏なはずなのです。
たまに、「ウチは起業初年度から黒字だよ」と言う社長がいらっしゃいますが、起業してすぐに黒字なんてあり得ないはずです。そういった社長達は、おそらく昔勤めていた会社から仕事をパクっているだけでしょう。
そういうのも私は嫌いです。結局上に上る為のはしごを作る作業をスルーしているのです。
ご自分で起業するのであれば、成長するため、実力をつけるために、是非、苦労してください。努力してください。
でなければ貴方は、いつまでも、そして死ぬまで、同じままで生きていかなければならないのです。